~この絵本を読むときのヒント~

この文章は、『新・戦争のつくりかた』(マガジンハウス・2014年)より抜粋したものであり、WEB上では対応する箇所が異なりますのでご了承ください。

 ※印で注をつけました。

資料について

 

まず、本のカバーをはずして、裏表紙の見開きにある地図を眺めてみてください。

 ※WEB版では左メニュー★自衛隊海外派遣地図

 

1991 年から、自衛隊が世界のあちこちに派遣されてきたことがわかります。

目的や活動の内容はさまざまです。

ハリケーンや地震などの大災害にあった人たちを助ける活動。

戦乱で荒れた土地に道路や施設をつくって、地域の人や難民の方々の支援をする活動。

戦争をしているよその国の軍隊に燃料や物資を補給したり、機雷の掃海をしたり、海賊の監視をして船の護衛をする活動もしています。

 

武器は、目的によって持っていったり、いかなかったりします。

今のところ、武器は、自分や周りの人を守るためにしか使えません。

さいわい、今まで自衛隊は、だれかを傷つけたり殺したりすることはしないですんでいます。

 

 

次に、年表(P56-P59)です。 ※WEB版では、左メニュー★関連年表

 

1947 年5 月に日本国憲法が施行されてから2014 年7 月までの年表になっています。時間軸にそって右側に並んでいるのは、この絵本の一つひとつのエピソードに

関わる法律や条約や政府の方針などです。それぞれにみじかい説明をつけました。法律などがつくられた背景がわかるよう、時間軸の左側に、その時の総理大臣と、国の内外の大きなできごとをのせました。法律や条約の名称の横には絵本の関連ページや関連法律集の掲載ページもつけてあります。

 

縦に、横に、好きなように見てください。

 

1年の幅は、広いところと狭いところがあります。広いところは、この絵本と関

わりの深い法律などがたくさんつくられたり、政府の方針がそれまでと大きく変わったときです。どのように変わったのか、なぜ変わったのか、考えながら見ていくと、これからどうなりそうか、自分なりの予想がつくかもしれません。

 

 

そして、法律集(P38-P55)。 ※WEB版では、左メニュー★本文に対応する法律など

 

絵本を読んでいて「ほんとかな」「ちょっとおおげさじゃないか」と思ったり、年表を見て気になることがあったときに、開いてみてください。

 

法律の条文などをそのままのせているため、言葉が固くて読みづらいのですが、太字にしたところを拾い読みすると、だいたいの内容がわかります。こんなきまりがもうできていたのかと、驚くことがあるかもしれません。

 

その法律と関わりのあるだれかになったつもりで読んでみると、意外に読みやすくなったりもします。総理大臣だったらなど、さまざまな立場になりきって、法律を使うことを想像して読んでみてください。

 

読むときに、気をつけたほうがいい言葉があります。「等」「その他」「○○を除き」です。「等」「その他」には、ときどき、思いがけないものが隠されていることがあるので、この言葉に出あったときは注意が必要です。それから、「○○の場合を除き、□□できない」と書いてあったら、「○○の場合は□□できる」と読んだほうがよいときがあります。

 

この3つの資料を見たあとで、もういちど絵本を読んでみると、

はじめに読んだときとずいぶん違う印象を受けるのではないでしょうか。

 

いま、わたしたちがどこにいるのか、これからどうしたいのか、考えるために、

絵本とあわせて3つの資料をぞんぶんに使ってください。