<2022年版 重版によせて>
「戦争のつくりかた」は2004年に出版され、
自費出版も含めると約14万部のロングセラーとなりましたが、
最近「書店で入手出来ない」との声が聞かれることが多くなり、
この度、緊急重版の運びとなりました。
初版の「戦争のつくりかた」は、いまからおよそ18年前に書かれたものですが、
内容のベースとなった当時はまだ法案だったものが、国会を通過し、法制化され、
さらには改正されたり、名前が変わったり、刻々とその形を変えてきています。
いま改めて絵本を読み直すと、絵本の世界は決して止まってはおらず、
資料拡充版の「新・戦争のつくりかた」を出版した2014年以降も、
絵本の世界はリアルタイムで進行していることがわかります。
当時は空想上の出来事のように思われた情景も、
今は私たちの生活の中で、当たり前のように展開してきていることに、
驚かれる方もいらっしゃるでしょう。
この国や世界が、いまどんな所にいて、
どんなところへ向かおうとしているかを、
この絵本を通していま一度確認してみてほしい。
そんな願いも込め、今回の重版では
絵本に関連する2015-2022年の主な出来事を1ページ追加しました。
あらためて、絵本の本文の内容と巻末の資料集を照らし合わせ、
「大きなパズル」に想いを馳せて頂ければ幸いです。
2022年8月5日
2015年の安全保障関連の主な動きを年表にしました。
プリントアウトしてご利用ください。
2016年に制作した様々な資料やアクションのヒントをまとめたサイトです。憲法や安保法制についてのクイズもあります。ぜひご覧ください。
映像作家・アーティスト・クリエーターたちの集団「NOddIN」(ノディン)によるアニメーション『戦争のつくりかた』が公開されました。
※ りぼん・ぷろじぇくとは原作を提供しています。
アニメーションに関しては、NOddINに直接お問合せください。
絵本『戦争のつくりかた』が生まれたのは、いまから9年前の2004年5月。 戦争に備えるための有事3法が前年に成立したのに続き、 国民保護法などの有事7法案と有事関連3条約が国会で審議されているさなかで した。
いままで戦争をしてこなかった、私たちの国が その「かたち」や「ありよう」を大きく変えようとしている------。 そのことに気づき始めた人たちが、インターネットを通じてつながってゆく中で、偶然にも憲法記念日の5月3日、ひとりの人の頭に、突然浮かんだもの。それが、絵本『戦争のつくりかた』でした。
最初は絵本を、ささやかな手作りの冊子にして周りの人たちに配っていましたが、配布と同時に思いがけず大きな反響が巻き起こり、刷り上げた3万3千部はわずか3カ月で底をついてしまいました。多くのマスメディアでも次々と取り上げられ、より多くの方にこの絵本をお届けしたいとの思いから、2004年7月には「株式会社マガジンハウス」より書籍として出版することとなりました。
絵本『戦争のつくりかた』は、決して空想にもとづく作り話ではありません。2003年と2004年に相次いで成立した有事関連法をはじめ、すでに施行されている法律や政令、審査中の法案、国会答弁の内容などをひとつひとつ丹念に読み解いた上でつむいだ「日本のひとつの未来像」を示しています。その際、素人の曲解がないか、法律家の冷静で厳しい目を通してもらうことにも心を配りました。
残念ながらこの本で予言された未来は、着実に現実となりつつあるのではないでしょうか。私たちに残された時間は、もうあまりないのかもしれません。
それでも、まだ道は残されています。私たちが気づき、変えていくことの出来る未来がきっとあります。この国を愛するひとりでも多くの人たちが、「戦争をしない未来を選びとる」ことを、私たちは願ってやみません。
2013年5月 りぼん・ぷろじぇくと