P4-その3 海外派遣を本来任務へ

わたしたちの国を守るだけだった自衛隊が、

武器を持ってよその国にでかけるようになります。

 

世界の平和を守るため、

戦争で困っている人びとを助けるため、と言って。

 

せめられそうだと思ったら、先にこっちからせめる、

とも言うようになります。

 

・海外派遣を本来任務へ

自衛隊は1991年から毎年海外に派遣され、さまざまな活動をするようになりました。

けれども、自衛隊の本来任務は、あくまで「侵略に対してわが国を守る」ことでした。

海外での活動は、災害復旧の土木工事、国体や札幌雪まつりへの協力などの民間協力とおなじ「付随的な業務」とされていました。

そして、次々に増える海外派遣任務は、自衛隊法では「雑則」と「附則」に付け加えられていきました。

 

2005年12月、防衛庁(Defence Agency)を防衛省(Ministry of Defence:他国の国防省と同じ名称)に昇格させる法改正⑦とともに自衛隊法も改正され、自衛隊の海外での活動が「本来任務」に格上げされました。  

 

 

 

翌2007年1月、安倍首相はNATO本部で開催された北大西洋理事会に日本の首相として初めて出席して演説し、このように述べ、今後はNATOとの協力関係を強化していくと宣言しました。

 「いまや日本人は国際的な平和と安定のためであれば、自衛隊が海外での活動を行うことをためらいません。」